「やまがた文化の回廊フェスティバル」 のり&仕込み

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山形駅に到着

新幹線の車窓からは春の雪が残る山の風景が広がります。ストリングラフィ 山形県が山の麓の森を思い出します🍃🪵🍃

駅構内の「やまがた文化の回廊フェスティバル」の横断幕発見❣️→テンション💥↑

JR山形駅&新幹線の車窓から見た春雪の残る山形の風景
ストリングラフィ 生誕の地、山形県月山の麓の森

やまぎん県民ホール」はJR山形駅(新幹線も止まる)から徒歩1分と交通至便!17:00 – 19:00までスタジオ1にて仕込み。

やまぎん県民ホール

山形県産の木材(スギ・ブナなど)を使用したスタジオは目にも耳にも心地よい!天井が高い構造との相乗効果で、ナチュラルで豊かな響きに品格があり、自然の中で演奏しているような心地よさを感じます。

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スタジオ1

木に囲まれて、森で弾いているよう!

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横長のスタジオ、シンプルで13mある長い楽器、ストリングラフィにピッタリフェスティバル担当の方が素敵な場所を選んでくださいました。

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ストリングラフィをセットすると空間が変容、様々なイメージが万華鏡のように広がります。

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いわき市立美術館ニュース「THE GALLERY n.71」にパフォーマンスの講評が載りました🌟

2月25日(木)

1月11日に「いわき市立美術館(福島県)」で行われたパフォーマンスの講評がいわき市立美術館ニュースに掲載されました。コロナウィルス拡大の影響が広まる困難な状況下、どのようにしてプロジェクトを実現したか、また長年にわたる、アート+コンサート・パフォーマンス実施の業績が培った充実した観客層(2世代・3世代にわたっていることも特徴)のサポートについて書かれた興味深い内容です。

「光の記憶」~今、ひかりを求めて~

January 11, 2021 (Mon.)    1月11日(月・祝)

🌟Our first project in 2021 was held at Iwaki City Art Museum (Fukushima). The museum has a great selection of contemporary art such as Marcel Duchamp, Joseph Beuys and Tatsuo Miyajima.We performed 12 original compositions surrounded by Great works of contemporary masters.

現代アート+ストリングラフィ+パフォーマー+観客

2021年、初仕事は「いわき市立美術館」でのパフォーマンス・コンサート。マルセル・デュシャン、ヨーゼフ・ボイス、宮島達男 、荒川修作、河原温など現代アート界を代表する作家の作品に囲まれ、「オール・オリジナル・コンポジションで」と言うキュレーターからの依頼を受け『「光の記憶」~今、ひかりを求めて~』のタイトルの下、スペシャルプログラムを構成しました。2か月後に東日本大震災から10年を迎えること、コロナウイルス拡大の影響下にあることなど、大きな課題に立ち向かう現代社会へ、美術館から発信するメッセージが込められています。

感染対策を講じた客席作り 子どもたちの姿も目立つ
平面作品と呼応するストリングラフィ

平面作品中のミニマルなパターンと空間に浮かぶストリングラフィ の紙コップが呼応し、楽器がインスタレーションと化しています。こちらの展示室にはインスタレーション表現を開拓した代表的な作家、宮島達男・荒川修作、そしてその概念の元となったレディメイド作品の巨匠、マルセル・デュシャン等の作品が展示されています。そう、いわば「聖地」!

“Stringraphy Ensemble “+ Contemporary Art Museum
音を奏でる舞い=ストリングラフィ:パフォーマンス

ストリングラフィには楽譜があり音符で記載されています。これは芝居でいう「脚本」にあたるもの。同じフレーズでもパフォーマーが解釈しそのユニークな肉体を通して奏でる姿は、演じているようにも舞っているようにも見えます。糸と紙コップというミニマルなマテリアルから無限の音色と複雑に絡まりあう旋律とリズムが紡がれます。

Photos from “The Memory of Wind” by Kazue Mizushima This original piece consists of three movements inspired by Japanese traditional folk music. 1.Taiko music( Hachijo- Daiko) 2.Tsugaru-jamisen 3.Okinawa music

オリジナル曲「風の記憶」を演奏しているところ。ツアーで訪れた日本各地で体験した伝統音楽をモチーフにした3楽章。(1.八丈太鼓 2.津軽三味線 3.沖縄の音楽)

“Stringraphy performance is a weave of time and space.” 「時空を織る」

シンプルで抽象的だからこそ広がるイマジネーションの世界。弾く曲により空間のアート作品も違った面持ちを見せる不思議。ソロパートから4人のアンサンブルまで、多彩なバリエーションの音と動きが絡み合い、時空を彩ります。

「いわき市立美術館」とはご縁があり、最初に企画をいただいたのが1996年、アンサンブルを結成した年のことです。夏休みの「ボテロ展」が大賑わいでした。以来25年に渡り折に触れ企画をいただいています。2012年、東日本大震災から1年後「糸の森の中で・・・”いのち” が聴くコンサート」は忘れられません。

入口 受付 客入れ

「いわき市立美術館」ではプロジェクトの度毎に違った空間でパフォーマンスを行ってきました。それはキュレーターから出された課題かもしれません。同じ美術館で企画していただいても、毎回空間も違えばアートを取り巻く社会も変化します。今回は1F常設展示室・現代アートの収蔵品に囲まれたスペースが用意されました。

セットアップ風景 調弦 楽器+椅子席 NHKの取材(ニュース645福島で放送されました。)
公演当日の夕方「NHK総合ニュース645福島」でレポート放映!
客席の様子 (ウルトラマンを握り締めママのお膝でパフォーマンスに見る子供の写真→私のお気に入り😊)

コロナウイルス拡大というパフォーマンス開催には難しい状況下、満席のお客様に迎えられました。終演後、担当キュレーターから感染対策に配慮した実施方法及び経緯と気づいた点を伺いました。

① 40枚× 2回分=80枚の無料整理券を事前に配布

②「即日ソールドアウト→感染者増のニュース→キャンセル→ウェイティングリストの方に連絡し再びソールドアウト」このサイクルを何度も繰り返したそうです。

③客席にナンバリング(写真では22番が見えます)、この際最初に申し込んだ方が中央の見えやすい席に来るよう配慮。

④予想以上に子供連れの観客が多かった。「現代美術の展示+ストリングラフィのオリジナルコンポジション」と言う尖った企画に、違和感なく溶け込む幼児とファミリー。「1996年から25年に渡ってストリングラフィ の企画を続け、ファンや観客が育ったのではないか。子連れの若いファミリーは、学生時代にストリングラフィを見たのかもしれない」担当キュレーターの感想です。

通常では考えられないような困難を乗り越えて行われたパフォーマンス、観客もパフォーマーもいつもにも増して高い熱量で時空を共有しました。

いわき市立美術館スタッフ+舞台関係スタッフ+ストリングラフィ・アンサンブル

来年、ストリングラフィ誕生30年を迎えます。現在の様式に発展してきたのは、ストリングラフィを面白いと思い、期待し、聴き続けてくださった皆様の力です。1992年に考案したときには「自分の表現」という思いが強くありましたが、1996年にアンサンブルを結成した頃からは「ストリングラフィでこう言う曲を聴いてみたい」「こんな場所で演奏したらステキ」という人々の声を反映し、いわば「水」のように自在に姿を変容させながら、本質である「ストリングラフィというシンプルな楽器」を成長&継続してきたように思います。

今回、25年間表現の機会をつくり、育ててくださった「いわき市立美術館」で演じながら強く思ったことです。どうもありがとうございました。

主催:いわき市立美術館
出演者:水嶋一江、KIKU、鈴木モモ、田實峰子
制作:八重樫みどり

協力:盛名劇団かもめ 森 絵瑠
会場:いわき市立美術館 常設展示室
時間:① 11:00 – 12:00 ② 14:00 – 15:00
観客:① 延べ約50名(立ち見含む) ② 延べ約50名(立ち見含む)

プログラム : 「光の記憶」~今、ひかりを求めて~ いわき市立美術館主催

新春あけましておめでとうございます。

昨年初めのコロナウィルス感染拡大以降、世界情勢から身近な生活まで価値観や見え方が一変しました。従来の規範や常識を壊すことを恐れず、状況に応じて自由な発想で創意工夫を続け、自分なりの幸福や豊かさを持つことが求められる今こそ、芸術・演劇・音楽が必要だと実感します。

タイトルの「光の記憶」は2017年から創作を始めた組曲です。「光」の諸相を音で表現する中、「光」によって生ずる「影」に関心が向いて行きました。「濃い影」を感じることの多い現在、「あたたかな光」がその向こうにあることを全力で表現したいと思います。

いわき市立美術館では、1996年(ストリングラフィ・アンサンブル結成の年)から数年ごとにコンサートを企画していただいています。「ボテロ展」の賑わい、東日本大震災1年後・祈りを込めたプロジェクトなど、様々なシーンが思い浮かびます。25年間、チャンスと課題を与えストリングラフィを育ててくださった「いわき市立美術館」の皆様に感謝を表すと共に、今回のプログラムを献呈させていただきたいと思います。

森の記憶(1997年) 

ストリングラフィが生まれた月山の麓の森をイメージして作曲した。森の雰囲気を表現した即興演奏で始まる。早春の針葉樹林の静けさ、朝もやの中からふと立ち現れる遠くの木々、鳥のさえずりや梢を渡る風の音の記憶が織り込まれている。

◆Angel of Rain(2004年) 

ピッチカートのアンサンブルが水溜りに落ちる雨の飛沫が踊っているよう。こども時代の楽しい雨の一日。

◆青磁(せいじ)「繭の色」より(2006年)        

       スタイリッシュなフィルムノワールの映画を思い浮かべながら作った曲。3人のパフォーマーが奏するユニゾンのモチーフと「間」。釉薬に現れた貫入のように、「無音」の瞬間が時空に亀裂を生じさせる。

◆紫苑 (しおん)「繭の色」 より(2007年)

 軽やかなリズムのモチーフが、織物の幾何学模様のように最初から最後まで繰り返される。3つの楽器が3台の機織り機のようにリズムを刻み続ける。時たま現れる、パタン パッタンという軽快な機の音(ピチカート)が緯糸(よこいと)を締め、メロディが浮かび上がっていく。曲の進行に連れ、微妙な色のグラデーションを描くようにハーモニーが移ろう。次から次へと姿を現わす新しいメロディが、絵巻物のように続いていく。

◆茜 「繭の色」より (2009年)

2007年に「草月流」お家元、勅使河原茜氏の作品とコラボレーションをする機会があった。テーマは「竹と音楽」。

埼玉県立美術館の展示室に竹のみで構成された、生け花のインスタレーションが設置された。

竹の強靭さとしなやかさを生かした、建造物に近いような巨大な作品にインスピレーションを得て、「茜」を作曲した。曲中に登場する「パンパン」というピッチカートのモチーフは「竹を割った時の音」をイメージしている。

◆波の記憶(2015年)                

北海道余市町の海辺を歩いていた時の事、防波堤の内側と外側に当たる波、海岸に打ち寄せる波、大小入り乱れた様々な波の作りだす複雑な音のアンサンブルが面白くて、聴き入ってしまった。「波の記憶」ではこの時の印象をもとに、PPPからクレッシェンドしてPPになる、といった最弱音のバリエーションを探ってみた。ストリングラフィでとても小さい音を表現すると、呼吸音のようなノイズが混じってくる。真っ白く塗ったキャンバスに薄いグレーの刷毛痕が重ねられていくようなイメージ。

自然の波を思い浮かべながら細かいパッセージを重ねていき、似て非なるパターンがランダムに出現する構成となったため、演奏者(作曲者自身も含め)は暗譜に苦心した。

◆風の記憶 (2012年)                    

コンサートツアーで日本各地を訪れる中、地元の人々に受け継がれる様々なタイプの伝統音楽に出会った。楽器も音楽も、生まれた土地の空気を呼吸し、生き生きと躍動していた。日本で生まれたストリングラフィで、この感動を表現してみたいと思い続けてきた。2012年國立台北藝術大學の創立30周年を記念して行われた「關渡藝術節 2012 Kuandu Arts Festival」に招かれたのをきっかけに、「風の記憶」組曲として構想した。

Ⅰ. (八丈太鼓)八丈島公演の折、地元料理のもてなしに続き八丈太鼓が登場した。家庭料理を振舞ってくださった女性たちが、箸をバチに持ち替え、太鼓の両面から打ち合う姿に目を見張った。「口唱歌」を教えていただき、いつかストリングラフィで演奏してみたいと思い続けてきた。ストリングラフィは弦楽器であるにもかかわらず、強くはじいたり、ギターピックで連打すると鼓のような音が出る。はじき方を工夫して、パーカッションの音色のみで構成したのがこの曲だ。

Ⅱ. (じょんがら)五所川原市(青森県)でのコンサートを終えて弘前へ向かう途中、地吹雪に遭遇した。闇の中で激しい風に舞う雪。上下左右の感覚が消え、自然の激しいインプロビゼーションに津軽の「音楽」を聴いた。「津軽じょんがら節」の情熱的な即興の世界をストリングラフィで表現してみようと創ったのがこの曲だ。たたみ掛ける速いパッセージ、打楽器のような効果音、技巧を凝らしたソロパートの掛け合いなど、「津軽三味線」のエッセンスをストリングラフィの語法に昇華しようと試みた。

III. (うりずん)フェスティバルに招かれ始めて降り立った沖縄、圧倒的な生命力に圧倒される。湿気を帯びた風に乗って、植物の香り、香辛料の匂い、太鼓のリズム、三線の音、流れては消えていく。南国の風に漂っていくカラフルな音色のモチーフを、モザイクのように組み合わせてできたのがこの曲だ。

◆天鼓 I 

空中を鼓に見立てて、様々なトーンのパーカッションの音色のみで構成した曲。ストリングラフィの糸を勢いよくはじくと、弦楽器とは思えないような威勢の良い音が出る。糸の張り具合などを加減すると、鼓のように豊かな音色のバリエーションを表現できる。高い位置に張り巡らせたストリングラフィをはじくと、まるで天から鼓の音が降ってくるようだ。

◆光の記憶 より 『影』 (2017年)                       

組曲「光の記憶」は音の波動に光の波動のイメージを重ねて連作中。「綺羅綺羅」「眩」など様々な光を思い浮かべるうち、最終曲に「影」を据えることを思いつく。「『光』がある所には『影』が生ずる。『闇』には『光』が存在しないが『影』の向こう側は『光』である」というテーマで作曲。タンゴ調のリズムとバロック風ポリフォニーがそれぞれ影」と「光」を象徴する。闇に近い「深い影」で始まり、次第に「光」が強くなっていく構成。「影」のアナロジーとして低音を多用しているので、冒頭は演奏者が低い姿勢で演奏し、次第に高音部・高みに輝く「光」に向かって伸び上がって行くパフォーマンス性にもご注目!

◆パレード

1パート1パート加わって賑やかなミニマル風のパターンが表れてくる、メンバー紹介のためのナンバー。

★アンコール曲

◆紅(くれない)(2006年)

沸き立つようなリズムに乗って、ユニゾンのメロディがエネルギッシュに展開する。華やかで情熱的な色調の曲。

◆「記憶」シリーズ

       「森」「風」「雨」「光」といった自然のエレメントをテーマにした連作。自然界の音響と、古代の楽器にも似た素朴な音色の旋律によって呼び覚まされる、ストリングラフィならではの懐かしさと実験性が同居する表現を追求している。

◆「繭の色」シリーズ

日本の伝統色「青磁」「紫苑」「茜」「瑠璃」といった「色」をテーマにした連作。ストリングラフィの「弦」は絹糸ででき ている。蚕から繭、生糸そして絹糸と成る過程はまるで奇跡のようだ。絹にまつわる歴史や文化、ときには遥かシルクロードへまで思いを馳せながら、音のタペストリーを織り上げ一曲また一曲と「色」を綴り続けている。

いわき市立美術館主催パフォーマンス のり&仕込み

  

1月10日(日)

上野発14時の「ひたち」でいわきへ。東京からいわきへは高速バスが便利ですが、コロナ拡大の状況を鑑みて電車移動を選びました。

1996年以来何度も伺っているいわき市立美術館。JRいわき駅に到着すると自然に足が向きます。

いわき市立美術館入り口 左から 田實峰子・水嶋一江・KIKU・鈴木モモ

美術館の向かいに「いわき市体験型経済教育施設 Elem 」があります。東日本大震災の被災地復興支援プロジェクトに資金を援助するカタール国の基金「カタールフレンド基金」により設立されたものだそうです。

いわき市体験型経済教育施設 Elem

美術館到着後、閉館時間(閉館してから仕込みを始めます)まで、館内を見学させていただきました。最初にパフォーマンスを企画していただいた1996年の夏休み、「ボテロ展」が好評を博し満員の熱気の中で公演したこと、2012年東日本大震災から1年後「いわき市立美術館主催:糸の森の中で・・・”いのち” が聴くコンサート 」で祈りを込めて演奏したこと、様々なシーンが脳裏に浮かびます。

「エッシャー展」で目にした「滝」に着想を得て「カスケード」という曲を作り、のちに「繭の色シリーズ 紫苑」をなりました。一つのモチーフが繰り返されるうち、織物の模様を綾なし、無限に続くイメージを絹の音色に託したものです。明日のコンサートでも演奏します!

M.C.Escher 滝

さて、今回の現場は1階の常設展示室。初めての空間です。「いわき市立美術館」は現代美術の収集に力を入れているので、Marcel Duchamp、Joseph Beuys、荒川修作、河原温、宮島達男ら現代美術を築いたアーティスト達の名品が独特の空気感を作り上げています。

ストリングラフィの仕込みではまず支柱を立て、続いて「糸電話」の状態で持ち運んでいる「ストリングラフィ」をその支柱に張っていきます。

ストリングラフィに直径棒(芯棒)を通す
支柱に張られたストリングラフィ
背景のミニマルな平面作品と呼応して見える、 紙コップと糸のミニマルな空間構成
音響は現地、いわき市のエンジニアにお願いしました😊
明日は4人編成の長編オリジナル曲「風の記憶」を演奏します。リハーサル風景。
水玉シャツ→紙コップの立体水玉空間→ミニマルなパターンの平面作品