11月11日(金)
南富良野小学校を舞台に2公演を行いました。午前中は南富良野小学校の全児童を対象としたコンサート、午後は近隣の南富良野西小学校と南富良野中学校の皆さんが乗り入れてコンサートを鑑賞しました。
南富良野小学校、全校生徒数約70名のアットホームな学校です。たくさんの先生が参加されたことも印象に残ります。大人の皆さんが興味を持ってくださる環境だと、子供たちも自然と好奇心豊かに育ちますね!

こちらの学校、第一印象はその素敵な校舎! 10年ほど前に建てられたそうですが、赤レンガ造りにサイロをあしらったデザインが南富良野の豊かな自然に溶け込みます。校舎内には木材がふんだんに使われ、なんとサッシも木製!この町では子供たちが大切にされているのだなぁと言うことが伝わってきます。

体育館のナチュラルな反響が素晴らしく、ほぼ音響なしの生演奏でした‼️めったとない体験です。

子供たちは知っている曲を口ずさみ、リズムに乗って体を動かしたりして音楽を楽しんでいる様子。また四季折々の自然の音色をストリングラフィで表現する「四季のメドレー」では具体的な虫の名前を挙げたり、演奏方法に目を凝らしたりと、自然に育まれた感性の豊かさが伝わってきます。

昼休みに廊下を歩いると、高学年の女の子がやってきて「とても素敵だった。特に秋の虫の声を弾いたところが好きでした。」と伝えてくれました。演奏中に観客席から伝わってきた印象と呼応しますね。次々に子供たちが訪れ、とても楽しかったなどと気持ちを話してくださいました。



午後の公演、南富良野西小学校+南富良野中学校の皆さんが体育館へやってきました。午前中の子供たちのリアクションでノッテきたアンサンブルのメンバー、午後のオープニング曲「小さな世界」では理想としているイメージ通り、勢いのある演奏を実現。すると、驚くような大きな拍手をいただきました。

中学生の皆さんが、大人びた落ち着きと瑞々しい輝きを兼ね備えていることに感銘を受けました。南富良野の厳しい自然の中で仕事をし、生活する大人たちの様子をしっかり見て育っているのだと感じました。



高い天井とふんだんに用いられた木材が生み出す美しい音響、奇跡の響きです!



この回では最後に質問コーナーがありました。「どうして絹糸を使っているのか?」「どうして手袋をはいているのか?」「ブラスバンドに所属しているが、どうやれば息の合った演奏を実現できるのか?」といった質問をいただきました。どれもとても良い質問ですね。これをきっかけに一歩踏み込んだストリングラフィの楽器作り、演奏するときの心構えなどについてお話しすることができました。

公演後、伺ったところによるとコンサートを鑑賞された教育長の方が深く感動され、「次回は町民の皆様にも聞く機会を作りたい」とおっしゃったそうです。これは嬉しいです!

ところで、南富良野町は「幻の魚・イトウが棲む町」として知られています。町内を流れる空知川やかなやま湖に、絶滅危惧種に指定されたイトウが生息しているのです。イトウはサケ科魚類に属する国内最大級の淡水魚で、大きい個体は1m以上にも達するそう!この大きさになるまでには15年ほどかかるというのは驚きです。大型のイトウが生息しているのは生物多様性が保存されている事のシンボルなのですね❣️
今回のコンサートを担当してくださった大光明さん、実はイトウのエキスパート!サイエンティストだけあり、ストリングラフィのサイエンティフィックな側面に興味を持ってくださいました。ストリングラフィの芸術鑑賞会は「鑑賞」だけに終わらず、クラスルームに持ち帰って、いろいろな展開ができるところが魅力的だと言っていただけたことは大きな収穫でした。
プロジェクト名 : 芸術鑑賞会 実施日:2022年11月11日(金) 主催:北海道空知郡南富良野町教育委員会 (担当: 大光明(おおみや)宏武さん) エージェント:(株)ベストサポート舎 (担当: 安藤知春さん) 出演者:水嶋一江、KIKU、篠原もとこ 会場:南富良野小学校体育館 時間:① 10:30 – 11: 45 ② 13:30 – 14: 45 観客:① 南富良野小学校全校生徒 ② 南富良野西小学校全校生徒 南富良野中学校全校生徒